ムーブメントだとしたら、ビジネスがNPOに近づく動きが、この
サステナブル資本主義系の動きだろう。

未来をつくる資本主義
Stuart L. Hart / 石原薫訳
[原著:Capitalism at the Crossroads]
仕事柄よく感じること。それはビジネス業界の人々の、ソーシャルビジネス
及び社会起業家に対する微妙な感情のグラデーションだ。
外資金融パーソンやコンサルタントなど、いわゆる新興知識産業下のビジネスエリート的な人々は海外での価値観の変化の影響もあり、ビジネスと社会性の両立に対してはおおむね興味と関心、時によってはコミットメントを示す。
一方40代以上の企業人からすると、こうした動きをいぶかしく、また自己否定をされた気がして感情的に反発する向きが強い。例えば
「私たちは一生懸命企業でやってきて、日本経済の成長に貢献してきた。だから社会性が無いと言われると、違和感を感じる」
「私たちは税金を払うことで社会貢献しているし、それが企業の最も大きな社会貢献だ。」
というような発言に象徴的に見られるものだ。
こうした中高年企業人を否定するつもりは全く無く、むしろ今でもその正しさは歴史的なキャンバスの上に残存しているだろう。個人的には彼らのような真面目で一生懸命な人たちを深く慕ってもいる。しかしかつてキャンバス全体を覆っていたその正しさは急流のように流れる経済と社会の動きの中、残念ながらごく一部に痕跡をとどめるまでになってしまっているように思う。
まず我々の日本社会は、かつては「経済の成長=社会の改善」であった。貧しさに端を発する差別や病気などは、経済成長とその果実である所得の向上によって一掃された。
しかし世界第二の経済大国になった現在、「経済の成長が社会を良くする」と100%言い切れる人は、おそらくいまい。経済の成長があっても、あるいはそれゆえに社会問題が多様化してしまっているからだ。経済というサッカーチームが強くなっても、彼らがプレイできる運動場が穴だらけに劣化してしまったら、そこで走る選手の足をへし折ってしまう。
翻って日本だけでなく世界のレベルで見ると、企業が外国で利益を上げることによって職を奪われ、格差を助長し、怨恨と怨嗟が絶望的な自爆テロを産み、市場を成り立たせている「社会」そのものを脱臼させてしまうことすら生まれてきてしまった。
その中で企業は、企業人はどのように社会貢献すべきなのか。
本書はそれに大胆にも「企業が世界を救える」という光明を示す。
さきほどの「税金払って社会貢献」的なパッションを持って語れない社会貢献解釈(なぜなら「税金を払わなくて良いとなったら、絶対に企業は税金を払わないし、そもそも税金を払うために事業をしているという経営者は1人もいないので」)ではない形のメッセージに、企業人、特に大企業に勤める企業人は大きく心震えるはずだ。
それってどんな形?と思った人は本書を読んで欲しい。
「貧困者に価値を届けることによって、彼らの生活が向上する」「革新的なビジネスモデルによって社会性と利益はインテグレイトされる」ということが知れる。
英治出版さんはこの後DIPシリーズということで『ワールドインク なぜなら、ビジネスは政府よりも強いから』・『ディープエコノミー 生命を育む経済へ』という


「いかにビジネスが世界を救うか」「誰のための経済なのか」という重厚な問いを問い続ける。
拙著「社会を変えるを仕事にする〜社会起業家という生き方〜」もそうだが、「儲けろ本と自己啓発本と携帯小説」で溢れる出版市場の中で、志は高いけど儲からないだろ、それ!的なソーシャル本を矢継ぎ早に出す英治出版さんの使命感には一抹の心配と共に胸いっぱいの感動の念を禁じえない。
類書:
ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ) (単行本)
C.K.プラハラード (著), スカイライト コンサルティング (翻訳)
富の未来 下巻 (単行本)
A. トフラー (著), H. トフラー (著), 山岡 洋一 (翻訳)
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目次
序文 - アル・ゴア
プロローグ
第1部 世界を俯瞰する Mapping the Terrain
第1章 企業責任からビジネスチャンスへ From Obligation to Opportunity
第2章 不調和な世界 Worlds in Collision
第3章 持続的価値ポートフォリオ The Sustainable Value Portfolio
第2部 環境保護を越えて
第4章 創造的破壊と持続可能性 Creative Destruction and Sustainability
第5章 下向きの大躍進 The Great Leap Downward
第6章 ピラミッドの底辺を目指して Reaching the Base of the Pyramid
第3部 土着化する Becoming Indigenous
第7章 帯域幅の広い企業へ
第8章 ネイティブ力を身につける Developing Native Capability
第9章 持続可能なグローバル企業へ Toward a Sustainable Global Enterprise
エピローグ
刊行に寄せて - フィクス・ジョンソン
謝辞
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当記事は、NPO法人フローレンス 代表理事駒崎弘樹の個人的な著述です。
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発売3か月で10万部も発売20年で10万部も同じ10万部ですよ。
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だからこそ、何をするにしてもなるべく遠くを見据えていたいですね。
あ、これ、好きな唄の歌詞のパクリです。
作る本でパクリはしません。