2008年01月14日

【業務日誌】 ビジネスセクターからNPO・ソーシャルセクターへの様々なアプローチ


【フロレ本を読んだ方との面談】

フローレンス本
を読んだ30代前半の方が訪ねてきて下さった。
起業経験がある、現在ヘッドハンティング会社にお勤めの方だった。
「これを読んだことで、社会起業を目指すようになりました」
とのコメントを頂く。
そもそもの狙いの一つに、若年層のNPO業界への参入を促す、
というものがあったので、いくばくか目的を果たせたことに
喜ぶ。

【第二新卒の方との面談】

人材紹介会社勤務の方が「フローレンスでプロボラをするために
会社を辞めます」と連絡を下さる。

会社を辞める理由はプロボラだけでなく、会社のビジョンや
ミッションへの疑問もあったそうだ。
まず売上があって、余裕があったらビジョンについて考えよう、
というのは違う。社会性をまとったビジョンがあって、
そこから戦略があり、事業計画に落とし込まれるはずだ、と。

正直驚いた。普通会社のビジョンなんてある程度
お題目であるのが一般的で、そこまで堅く言うのもねぇ、
大人になろうよ、まずはさ、ほら食っていかなきゃさ、ね、
みたいなノリが普通だし、みんな徐々にそれで納得して
いくものかと。

一方NPOはビジョンとかミッションとかしかない、みたいな
状況なので、そこから出発しないと「安い給料で、何で
こんなとこいないといけないんだ」みたいな話になるので、
ビジョンやミッションごりごりになるし、ならないといけない。

ビジネスセクターでも、こういった意識の若い方々が増えると、
企業の社会性や存在意義を意識せざるを得ない状況になっていくの
ではないかな、と思ったりする。

こうした気合の入った社会性志向の第二新卒の方はプロボラと
言わずぜひフローレンスに就職して頂きたいが、
いかんせんビジネスセクターとの給料格差を埋めるのが課題だなぁ。


【世界的なコンサル会社からのプロボノの申し出】

グローバルに活躍するコンサル会社の方が訪問。
これまで個人としてフローレンスに関わって下さる
コンサルタントはいて下さっていたが、組織としての
継続的な支援を打診して下さったのは、初めてのケースだ。

まだ企画段階とはいえ、日本で大きなコンサル会社が
ソーシャルベンチャーに対して「プロボノ」を提供するのは、
初のケースではあるまいか。

欧米では一般的なプロボノ。(ラテン語で「公共善のために」。)
会計士やコンサルタント、弁護士等が、通常の業務の一部に
非営利団体やコミュニティ活動にそのプロフェッショナリティを
提供する活動だ。会社としては就業時間の一部をプロボノに使う
ことを認めており、その時間も含めて給料を支払う。

日本は一部弁護士会などがプロボノに関して推奨しているよう
だが、まだまだ一般的ではなく、「仕事は仕事。そういうのは
アフターファイブでやってくれ」というスタンスが大方のところ。
また、「ボランティア活動」と言うとゴミを拾ったり砂浜を綺麗に
したりするような「汗×時間」の活動というイメージが強く、
彼らが普段業務で駆使しているスキルを活用して、というものは
想起されづらい状況であった。

しかしこうした一部の先端的な企業の動きが、日本のビジネス
プロフェッショナルの意識を徐々に変えうるのではないだろうか。
なぜなら、昨今僕にコンタクトを取って下さる方の多くは、
社会福祉関連団体に勤めているいわゆる福祉系、NPO系の人と
言うより、コンサルタントやキャピタリスト、プライベート
エクイティファンドのマネージャーの方々だったりするためだ。

こうした層の人々の中で社会起業家やソーシャルビジネス的なものへの関心と貢献の欲求は高まっていて、しかしその経路や手段が不明確なことで、うまくマッチングされていないという状況なのであろう。

願わくば多くのビジネスプロフェッショナルが、そのプロフェッショナリティを社会の様々な問題に活用し、わが国が「1億総評論家の国」から「貢献する個人の国」にならんことを。

会社の国籍がアメリカということだけで勲章だと思っている哀しい意識をつき抜けて、欧米のキリスト教精神を土台にした個人主義に伍すような、日本ならではの「天(公)への感謝に立脚する自立せる個」の精神を確立することを夢見てならない。


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当記事は、NPO法人フローレンス 代表理事駒崎弘樹の個人的な著述です。

病児保育を仕事にしたい、求人・就職に興味がある、という方は、こちらまでどうぞ。

いつもご支援頂き、誠にありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
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posted by 駒崎弘樹 at 23:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 業務日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
我が社の同僚がお世話になっています。

ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京が先鞭をつけた、日本へのベンチャー・フィランソロピーのビジネスモデルの導入を、我が社が本格化する役割を果たせればいいな、と今後の展開をとても楽しみにしています。
Posted by cloudgrabber at 2008年01月15日 18:38
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