もうすぐ四半期に1回の全社会議なので、今後僕たちがどのように進んでいくのか、というストーリーを明示しました。
アメリカでの研修によって、目標設定とそのコミュニケーションについて学びました。(決して遊びに行ったわけではございません 汗)
組織の目標は繰り返し述べられ、更にはそれが目の前に思い浮かぶようなビジュアル化がされることによって、より効果的になるということを、痛いほど学びました。
更にはこうしたビジュアル化(アファーメーションと言われます)は映像と共にその際の感情をも想起することにより、より自らの深い意識に根付いたものになるということです。
そうした原則に忠実に、中期的な戦略目標から四半期の目標までを荒削りですがストーリーライン化してみました。随時目標とストーリーは書き足されます。未来のことですが、過去形で記述することで、よりイメージしやすいようにしてあります。
こうしたストーリーラインを共有し、達成へのプロセスは皆さんのチームで作り上げていって頂きたいと思います。
よろしくお願いします!
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あるべき社会の実現に向けたビジョンストーリー【08年1月3日版】
□【〜08年3月】新規エリアである足立区に展開され、北千住を中心とした働く家庭の両立に貢献しました。うちの区にも誘致したいなあと思う他の自治体の人が続出しました。
□【〜08年3月末】利用格差を是正した新施策が企画され、利用会員の皆さんへのアンケートが取られました。
□【〜08年3月末】こどもレスキュー隊員が6名増員されました。採用チームは大喜びで、駒崎は焼肉をおごることになりました。
□【〜08年3月末】「病児保育事業の起業・安全な運営を支援する全国組織」の基盤となるサポートシステムを構築しました。大役を終えたむーは一安心でした。ちょうどよく「病児保育事業の起業・安全な運営を支援する全国組織」を立ち上げる資金を得て、いよいよ「病児保育が当たり前の社会インフラに」なる日が近づくなとやる気になりました。
□【〜08年3月末】全国で初めて「病児保育リスクマネジメントマニュアル」を出版しました。多くの病児保育施設、自治体、保育園、託児ルーム、ベビーシッター会社の方々に購入して頂きました。これによって体系的なリスクマネジメントという概念がなかった業界に変化が起き、「病児保育事業の起業・安全な運営を支援する全国組織」に入りたいと思う団体が増えました。
□【〜08年3月末】品川区の中小企業に対するワークライフバランスコンサルティングを完遂しました。クライアントはとても喜び、成果報告のシンポジウムでは150人を越す多くの方々が来て下さり、08年初頭のワークライフバランスのムーブメントの盛り上がりに大きく貢献できました。
□【08年6月〜】利用格差是正のための新しいシステムが導入されました。これによってより共済型の仕組みがより健全に運営されることになり、財務担当のびっきーは一安心でした。
□【〜08年10月】自治体から病児保育施設の運営のオファーが来て、フローレンスは「まちかど保健室」ブランドで09年度から委託を受けることになりました。「まちかど保健室みなと」のスタッフは姉妹店が出ることに喜び、立ち上げに自分たちのノウハウが生かせることを誇りに思いました。
□【08年度】利用会員数450世帯を突破しました。多くの人をサポートできて、スタッフ一同万感の思いを感じました。
□【08年度】マネージャー層に対して、3ヶ月に1度の賞与の水準が月額給与と同程度になるような待遇改善を行いました。社員の喜ぶ顔が見れて経営者も喜びました。
□【08年度】品川区以外の自治体からの委託も受け、5つの企業においてワークライフバランス化の成功事例を新たに創り、ワークライフバランス化プログラムのパッケージ化を行いました。ワークライフバランス化の実例を地道に積み上げることができ、ワークライフバランスコンサルティングチームは非常にやりがいを感じました。
□【09年度】法人契約が6件達成され、そこで得た利益によって「ひとり親パック」を拡充できました。ひとり親の方々に感謝してもらえることで、ああ本当にやってて良かったな、と心から感動しました。
□【09年度】フローレンスは東京17区に広がりました。他の類似事業者と合わせると東京23区は訪問型病児保育によってカバーされました。めでたい!
□【09年度】訪問型病児保育として始めてISOを取得。質の標準化が更に進みました。現場の質の向上に関わってきたスタッフたちは感動で胸が一杯になりました。
□【09年度】フローレンスが目指す、子育ても仕事も自己実現もすべて追及できた「多元的世界に立脚する個人が溢れた社会」のイメージを社会に発信するために、「フローレンス・ザ・ムービー」をお手製で製作しました。スタッフ一同総出で、利用会員やレスキュー隊員、これまでお世話になった方々もエキストラで参加して下さり、あるべき社会のイメージが映像化されました。単館を貸しきって上映を行い、みんな達成感で号泣しました。
□【10年度】フローレンスは利用会員世帯1000世帯に達しました。フローレンスパックは病児保育を核とした総合子育てパッケージであり、介護保険ならぬ育児保険のモデルケースとなりました。すなわち多くの家事支援会社、学童NPO、保険会社、習い事の教室などがフローレンスパックの中にサービスメニューを置いてあり、フローレンス利用会員世帯はそのサービスメニューを自由に選択し、自らの両立の助けとしました。
私たちはその事業者たちから登録料と売り上げの数%を得るプラットフォームモデルを確立して、より安定的な経営を可能にしました。
□【10年度】フローレンスの病児保育コンサルティングを受けて全国で15の団体が病児保育事業を安全に行えるようになりました。東京だけでなく、全国の問題解決に貢献できることで、たくさんの意義とやりがいを感じることができました。
□【〜10年度】全企業の3%がフローレンスのものか否かに関わらず何らかのワークライフバランス化プログラムを実行していて、ワークライフバランス関連市場が形成されるようになりました。ワークライフバランス関連書籍などが普通に店頭に並び、ワークライフバランスコンサルが可能だという社労士や人事コンサルの方々がたくさんいるようになり、私たちは隔世の感を感じました。
□【11年度】フローレンスの利用会員の中で「仕事も家庭も充実し、輝く人々」が続出し、彼らをウェブで紹介するページを作成しました。新たな日本人の生き方のモデルケースになるような事例ばかりだったので、年度末に出版しました。感激の声が全国から寄せられ、私たちは利用会員さんと共に誇らしい思いでいっぱいになりました。
□【12年度】病児保育ヘルパー(仮)が自治体資格として発行されることになりました。それによって病児保育の専門性が蓄積されるようになり、病児保育業界に来たいと思う保育士や幼稚園教諭は増加し、業界の担い手不足問題に光が差し始めました。
□【12年度】勝どき一丁目マンションが竣工され、かちどき支社を開設しました。病児保育施設や起業したい母親のインキュベーション施設等、意義深い機能を持った子育て支援マンションの運営を開始しました。マンションは大人気を博し、他のデベロッパーも次々に子育て支援マンションの建設を決めるようになりました。フローレンスは「子育てを支援するマンションのつくりかた」というマニュアルを発行し、そうしたムーブメントを後押ししました。マンション内では笑顔が絶えず、自分たちの理想とした地域社会を間近に見れて、スタッフは非常に感激し、鼓舞されました。
□【2015年度】駒崎、名誉理事に引退しました。内部からのはえぬきスタッフが新代表理事に就任しました。新代表がフローレンスは「創業者の個人事業」ではないことを証明。一人の離職者も出さず事業の委譲が行われました。
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当記事は、NPO法人フローレンス 代表理事駒崎弘樹の個人的な著述です。
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いつもご支援頂き、誠にありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
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