2007年04月26日

【日記】プライベートの成功に関する覚書

いわゆる「成功者」というイメージがある。


大金持ちだったり、モテてたり、雑誌のカバーに載って
誰でもが知っていたり、というようなイメージ。

だいたいこういう成功のイメージを持って、それに近づける
よう、努力を重ねのし上がろうとする行動パターンっていうのが、
割と普通にあるような気がする。

ただ、よく考えるとこれは「他者の欲望」あるいは「他者が成功
だと考えているもの」を自分の成功だと定義し、それを自分の指針だと
している、といっても良いわけで。

ゆえに自らの成功を追い求めるのではなく、他者の成功を追い求めて
いる、ということになる。

最近読んだ「ビジョナリー・ピープル」では、そういうことが
これでもか、っていうくらい書かれていて、そりゃそうだ、と思った。

「ビジョナリー・ピープル」はかの「ビジョナリー・カンパニー」の
共同執筆者が書いた本で、ビジョナリー・カンパニーが大好きな僕
としては思わず衝動買いしてしまったのだが、編集者の方が実は知り合いで
わざわざ買った翌日に献本して下さって、二冊も持つことになった、
というどうでも良い余談もある。

visionary.jpg

さて、そんな「ビジョナリー・ピープル」の一節に、本筋とは余り
関係ないのだけどもこういう言葉があった。
インドの起業家いわく、
「成功とは、いつまでも続く人間関係を築き、相手に奉仕することだ」
とな。

僕はこれを、自らのプライベートを思ってみて、なかなかに示唆的な
言葉だな、と思った。

仕事における成功、というのはある程度分かりやすい。例えば規模を
大きくしたり、より大きな利益を出したり、より多くの人を助けたり、
そういったことだ。イメージがわくから、それに向かって努力すれば
良い。

ではプライベートにおける成功とは。となると中々イメージが湧かなくなる。
大きな家に住んで、きれいな奥さんがいて、こどもと犬がいる?
うーん、何か違うよな。
ゴールが描けない、イメージが描けないから、どこに向かって努力すれば
良いのか分からず、迷走する。

多分それは育った家庭が、親同士があまり仲が良くなかったり、親戚づきあいを
ほとんどしなかったり、親も友達が少ない性格だったり、そういったことが
原因なのかもしれないけれども。

長い間それがコンプレックスだった。仕事以外の面で、何をもって成功と
するのか、ということが具体的に描けないということが。

しかし、ワークライフバランスを推進していく仕事をする中で、あるいは
ビジョナリー・ピープルでも散々に説かれているように、イメージが
湧かない、というのはどうでも良いことで「自ら成功を定義」すれば
良いだけなのだ、ということを知る。

マイブーム、が自分の中でのブームで、それがペナント集めであろうが、
軍艦プラモの製作であろうが、それでオッケー!なように
マイサクセス、も自分の中でオッケーならオッケーなのである。

考えてみれば当たり前の話なんだけども、余りにも多くの時間、僕たちは
他者の成功の定義をそのまま成功と丸呑みし、悔しがったり羨ましがったり
し過ぎているように思えて、もし自らの成功や勝利、そして幸福が
マイブームのように勝手に身軽にしなやかに定義できるとしたら、
なんて僕たちは自由なんだろうか、と思わずにはいられない。

試しに自分のプライベートの成功って何だろう、と定義を試みた
時に頭に浮かんだのは
「愛する人たちと、愛してくれた人たちと、掛け替えのない、
取替え不可能な素晴らしい関係を持続し続けること」なんだろうな、と。

ビジョンさえ描けてしまえば、そこからビジョンを達成する手法を
考えていけば良いわけで、それはいつものようにとても楽しい、
ワクワクするような行為となる。旅行の予定を立てるような。

こどもや家族、地域や社会についていつも考えさせてくれるこの仕事は
本当に素敵だと思う。「当たり前だけどとても大切なこと」について、
いつもいつも折に触れて気づかせてくれるから。


__________________________

当記事は、NPO法人フローレンス 代表理事駒崎弘樹の
個人的な著述です。

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文京区・中央区・江東区・墨田区・江戸川区
となっており、
法人向けサービスも行っています。

いつもご支援頂き、誠にありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
________________________
posted by 駒崎弘樹 at 22:47 | Comment(8) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
共感しました。

社会的成功と個人的成功は全く別の時限の話ですよね。
皆どっちもほしいものではあるとは思うのですけど。。。ね。
もしかすると悲しいのは、社会的成功をしているのに個人的成功をしていない状態かもしれないですね。

個人的成功は、心の奥の深いところにある気持ちに従って行動すれば 絶対に得られると 私は思ってます。好きなこと、好きな人、大切なもの、自分が何をして満足するのか、を常日頃思い出す時間をつくらないとだめなのかもしれないですね。
Posted by いく at 2007年04月27日 20:48
「他者が成功だと考えているものを自分の成功だと定義し・・・・」そのとおりだなと思いました。
価値観の柱を自分に持っていくことはとても難しいことだなと思います。
自分が心の底から感じる「嬉しさ」「感動」を大切にしていくことがまず必要かな、と思ったりします。
Posted by ゴーヤ at 2007年04月27日 23:07
「成功とはいつまでも続く人間関係を築き、相手に奉仕することだ」そうですね。お金だってないよりあった方が便利だし、人から凄いねって言われたらちょっぴり嬉しい・・けどそれって何だか虚しいし、長続きしそうも
ないし・・でも大切に思える人に出会えることやその人のために自分に何が出来るかなって考えることはとてもわくわくしますね。誰かの役に立つために生まれてきたのかもしれないし、そのために頑張ることで成長できるのであれば自分を磨くために生まれてきたのかもしれない・・・小さな行動の積み重ねで社会を変えることが出来るのであれば、楽しみながらも頑張れる。そこで得た感動を次世代の若い人に伝えていくのがちょっと長く生きてきた人間の役目かなって思います。
Posted by シンデレラ at 2007年04月28日 01:05
プライベートの成功とは「愛する人たちと、愛してくれた人たちと、掛け替えのない、取替え不可能な素晴らしい関係を持続し続けること」。そうですね。そう思います。
ただ、それよりも、もっと追い詰めて考え抜いたとき、辿り着くところは「一番大切な人とずっと愛し合い、幸せな家庭を築くこと」なのではないでしょうか。

Posted by EKM at 2007年04月28日 21:30

「愛する人たちと、愛してくれた人たちと、掛け替えのない、取替え不可能な素晴らしい関係を持続し続けること」

心に響くなぁと思いながら読ませていただきました。プライベートにおける成功…個人的な尺度もあるけれど、自分が幸せを感じる瞬間を敏感に大切にしていくことでより鮮明に具体化していくのかもしれませんね。

でも、こうなりたいと思いながらも、プライベートなことほど予想がつかないことがあります。偶然性を瞬間的に活かせるかどうかは、自分なりの成功ビジョンがありつつも、それに縛られない柔軟性によるのかなと思います☆
バランスが難しいと思うけれど、それは経験の積み重ねなのかもしれないですね。
Posted by duu at 2007年05月01日 18:00
>いくさん

そう、自分の内面を見つめる時間を作らないと
押し流されがちなんですよね。でも、現実は
死ぬほど忙しいわけで 笑

だからこそ、ワークライフバランスなんだと
思うのですよ。最も優先順位の高いものは、
自らの人生そのものであるはず。
だから目の前の効率の最大化に走りがちな
心を、ぎゅうと抱きしめて、本当に見なきゃ
いけないことに目を向けるんだと思います。

ワークライフバランスは、仕事と人生の
大いなる意味にきづくプロセスだ、と
その仕事に携わりながら築く日々です。


Posted by 駒崎弘樹 at 2007年05月01日 23:46
>ゴーヤ

自分の感動や嬉しい気持ち。とっても大切
だよね。

でも、ふと「自分って何が嬉しいんだっけ?」
って、よく分かんなくなったりするよね。

少なくとも俺はそうなりがちなので、こんな風に
ものを書いて、そうそうそういえば、こんなことが
大切だと思っているんだよな、自分、みたいな
気づきを得たりするんです。

7月に静岡に講演に行くから、飲もうなー。
Posted by 駒崎弘樹 at 2007年05月01日 23:51
>EKMさん

もちろん一番大切な人と家庭を築くのは、ぜひとも
そうなったら良いな、と思うのですが、僕は
家庭だけでなく友人たちとの気のおけない
コミュニケーションや地域社会との繋がりあいや、
そういった多元的な所属を奨励したいと思っている
んですね。

家庭での失敗は友愛に癒され、友人との齟齬は
地域の年長者に諭され修正されていく、という
ような多様なあり方によって、全体が維持されて
いくようなイメージを描けるような気がしています。

Posted by 駒崎弘樹 at 2007年05月05日 19:52
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