
「NPO法人フローレンスとソーシャルベンチャーのススメ」という
ことで、「社会起業家っていう生き方があるんだよ。ほら、僕も
君らと年も変わんないし、全然いけるって」
というようなことを話したかったんだと思う。
実際に僕と同い年のNPO法人TINAの秋葉くんや、2個下の「かものはしプロジェクト」
の村田さん等、大学を卒業したばかりで社会的企業や事業型NPOを立ち上げる
人材が、最近は増えてきているのだ。ちなみに彼らは僕なんかのやっていることの
数倍はすごい。
学生達の感想は色々と嬉しいものが多かった。例えば
「社会に貢献出来る仕事に就きたいがお金もちゃんと稼ぎたいと思っていた。
しかしボランティア活動で財を成した人の話など聞いたことがありませんでした。
今日“ソーシャル・ベンチャー” という言葉を聞き、 こんな方法もあったのかと
思いました。このやり方に、 自分の将来やりたいことの可能性を
見出すことが出来たのではないかと強く感じました」
というものであったり
「自分と歳があまり変わらない人がこんなにも頑張っているのに対して
自分はどうなのかと考える切っ掛けになった」
というものだ。
彼らの将来を考える上で、一つのヒント。そして一つの希望になって
くれれば、と思ったのだ。
僕がこう思うのは、ある人の講演を聞いた経験からだった。
僕が学生時代、安価な衣類ブランドで一斉を風靡したY社の社長が
来て講演を行った。
彼が大学などで講演するのは珍しく、ほとんどたまたま
実現した企画のようだった。
講演の内容は覚えていない。300人くらい入るホールが
満室だった気がする。僕を含めてビジネスを志ざす学生達が
つめかけ、稀代の起業家の話を一生懸命聞いた。
1,2週間後の日経新聞か何かに彼のインタビューが載っていた。
「先日ある有名私立大学に行って講演を行ったのですが、
彼らの中で起業する人間なんて一人もいないだろうなと思いました。
皆頭でっかちな感じで、自分とは違うな、と思いました」
その日経新聞を折りたたみ、静かに古紙回収袋に入れた僕は、
何か言葉にならないことを決心した気がする。
今になって思うのは、おそらく事を成した人間は後進に対して
希望を語らねばならないということだ。
わが国にとって高付加価値な新産業が起こることは今の
経済規模を維持するためには必須であり、その新産業創造の
担い手はベンチャー企業であり、であるがゆえに起業が、
挑戦が重要だ。多くの若者が起業に挑戦し、そして新たな産業が
創り出されていくことが、私達の社会が豊かさを保ち、
伸びていくためには欠かせないことなのだ。
だったらなぜ彼は後進を惹きつけ、鼓舞し、挑戦に向かわせる
ような言葉を吐かなかったのだろう。
だったらなぜ自分の成功を再確認するような、自分が学歴などとは
関係のないところから成功したことを披瀝するためだけの
インタビューを行ったのだろう。
なぜわが国の中長期的な利益に資するアジテーションと鼓舞を
行わなず、自分の成功談のみを語ったのだろう。
彼は逆説的に、志こそが思考のスケールと時間軸を規定することを
僕に教えてくれた気がする。
僕達全員が乗っている、この船のことを考える微細な想像力。
僕達は戦略やら資本やらの前に、志の有無を突きつけられている。
僕はその時から、後進には希望の言葉を語ろうと決意した。
自分達は素晴らしい時代に生まれ、チャンスにあふれ、挑戦は
おっかないが心地よい。社会を変えることは、官僚や政治家じゃなくたって
できるんだ。僕にも君にもできるんだ、と。
希望を高らかに語るために、前向きにアジるために、
まずそれが真実であることを自ら証明したい。
そうして希望を、声が枯れてもう歌えなくなるまで、
高らかに口ずさんでいこうじゃないか。





何かをやろうすると、「お前には無理だ」とか「そんなことできるはずがない」とか・・・。私もよく言われたなー。
でもY社の社長もそういう悲しいことを言うんだね。その記事の文脈を知らないから、なんとも言えませんが、本当なら悲しいことです。
私は、経営コンサルタントなので、「経営者に希望を与えること」が仕事です。経営者に対して、先ほどの例のように、マイナスなことばかりを並べることは絶対にしません。
経営者がやりたいことをどのようにしたらできるかを考え、できない理由は考えないようにしています。
学生にもそういう気持ちで物事に取り組んでほしいものです。
人を動かす動機付け、最もパワフルなのは「怒り」。Y社の社長さんは、きっと若者の「怒り」をあえて買おうと思ったんだよ。ほら思う壺。こうしてその時の聴衆の優秀な若人が1人立ち上がったじゃないか。人は深い。表面に見えるものはゴミ、真珠は深く潜らないと採れない。僕はそう思うよ。
メルマガに掲載されていた利用された方の声、大変勉強になりました。なるほど、駒崎君のやりたいことがハッキリ見えました。ありがとう。
確かに、世の中駄目だしばかり溢れていますよね。
○○だからできない、ではなく○○ならできる、の
発想で乗り越えていきたいですね。
>kenpaさん
おぉ、さすが!
そういう考え方もありますよね。
「怒り」の動機付けは、本当に仰る通りです。
子育て当事者ではない僕は、既存のあり方への
違和感と怒りによって前に進んでいるような
気がします。