南北線で号泣した三十超えたオヤジが来ましたよ。
重度障害を持って生まれてきた著者が、なぜ人々から愛され、心の底から幸福だと笑えるのか。
かくいう僕も、著者を愛する1人です。友人としての贔屓目なく、彼と一緒にいると、明るい未来を信じられるような気がしてきます。大げさな言い方で恐縮ですが、彼は人々を照らす太陽だと思います。
自己の中に輝く太陽を持つ方法。
それは強固な自己肯定感を持つこと。
しかし、ではどうやってその自己肯定感を、大きなハンディを持って生まれた彼は育めたのでしょうか。
それが本書の多くを割いて語られるものであり、本書を読んでその温度感をそのまま味わってもらいたいです。
その上で、僕はここで、友人という立場から彼と彼の著作について少しだけ語りたいと思います。
彼は自ら教員となり、その経験を生かして東京都教育委員になり、彼が信じるところの自己肯定感を全ての子どもたちが感じられる社会の実現を目指しています。
僕は小学校にあがる前の乳幼児期の子どもたちへの養護と教育、すなわち保育を通じて、全ての子どもたちが自己肯定感を持ち、同時に親たちも仕事と育児の両立と自己実現によって、自己肯定感を得られる社会を創りたいと思っています。
自己肯定感という軸によって、僕の仕事と彼の仕事は綺麗に重なり、共鳴していきます。
しかし、この共鳴が起きるのは、もちろん僕だけではないはずです。
この本を読む親の皆さんは、我が子の自己肯定感を日々育む自由と責務を持つ人々だろうし、妻を持つ夫は(あるいはその逆も)、パートナーたる相手の自己肯定感を花開かせる役割を担っています。
また部下を持つ上司も、教え子を持つ教師も、その指導を授ける人々の自己肯定感を高め、内発的成長を促すことができるし、実は立場が下の人からだって、立場が上の上司や教師や取引先の人々の自己肯定感を高めることもできます。
更に友人や、行きつけのお店で働く人や、あるいは我々の代表たる政治家の自己肯定感だって高めることだってできます。
このように我々全てが、自らが関わる全ての人たちの自己肯定感にプラスの影響を与えられ、そして彼らの輝きを増すことに貢献しうるのです。もし全ての人が周囲の全ての人たちに、そうした貢献を行ったならば、我々の社会は如何に明るく輝くことになるでしょうか。
その時、我々は自らの手で、太陽を生み出したと言って良いのではないでしょうか。
そう、この本はそうした魔法を、著者独特の等身大の語り口で私たちに伝えるものです。
良かったら多くの人に、この本を読んでほしいと思います。
僕の拙い文章では描ききれない温かな希望を、感じてもらえたらと願います。
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