先日ある記者の方に、「閉塞感漂う日本について、どう思いますか?」みたいな質問を受けて、不思議な気分になった。
多分よくある修辞的接頭語なんだろうけど、よく考えるとこの言葉って変。だって、閉塞感って日本人一人一人が感じんもので、日本が感じるものじゃない。仮に日本人の多くの人が閉塞感を感じていても、それって人口のうちの何割か、きちんと調査したデータとかあるのかな。
少なくとも僕は全く閉塞感とか感じない。そりや確かにNPOやってたら、数多くの課題を日本が抱えていることは、嫌でも分かる。でもそれは、課題だ。答えは出せる。答えを出せたら、後は手を動かせば良いだけだ。
僕は手を動かしているし、手を動かしていると閉塞感は感じない。やればやっただけ状況は打開できるから。
僕の周りでも、「閉塞感抱えて生きてるんだよ、俺」ってやつには会わない。テレビから「閉塞感感じますか?」とマイクを向けられれば、「ええ、まぁ」くらいは言うかも知れないが、そうだとしたら、閉塞感と同じくらい腰肩首の倦怠感も、昼前だったら空腹感も、給料日前なら幸福感も感じているだろう。
単にマスメディアの人が、何となくそういうと世相が説明できて便利だから、使ってるだけなのではないか、に3000点。しかし、ここに重大な落とし穴があると思う。
だって閉塞感とか言うと情緒の問題になって、解決不可能になるから。情緒と課題は切り分けようよ。辛いとか悲しいとかは誰でもあるから、それはそれとして、課題は課題で冷静に議論して解決策つくって、手を動かせば良い。
情緒と課題をいっしょくたにすると、「この閉塞感を誰かぶち破って!!」みたいな無責任な救世主願望を生み出すことになる。
救世主願望が今までどんなバケモノを産んできたかは、ヒトラーや毛沢東の例をひかずとも、大戦を経験した我々には分かるはずだ。
というわけで、閉塞感感じたい人は、勝手に感じてて下さい。でも、それをみんなに押し付けたり、自分が不安だから人にも感染させようとしないでね。
僕は救世主に救ってもらいたいなんて思わないから。今毎日必死でやってる目の前のバク修正が、必ず今よりマシな社会システムに繋がってると、確信してっから。そこんとこ、よろしく。
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