世界から最も尊敬さるべき日本人。
それは、本書の著者、世界銀行元副総裁の西水美恵子氏であろう。
世銀副総裁という超のつくエリートでありながら、いやなればこそ、再貧困地帯に自らホームステイして住民たちの生活を「体感」し、それを部下たちにも徹底して行わせる。
その徹底した現場主義から行われた世銀改革は、世界で最も有名な経営学者の一人であるP・センゲも著作でモデルケースとして取り上げたほど。
前作「国を創るという仕事」(凄まじい名著)が一冊をしてひとつの作品だったのに対し、本書はコラムの集合を本にしたこともあり、彼女を初めて知る人にも非常に読みやすいだろう。
かといって本書の内容が「やさしい」わけでは、実のところ全くない。むしろ我々に鋭い刃を突きつけるような内容だ。
「変えたい変えたいというけれど、あなたは本当に『本気』か?」
と真っ直ぐに射抜くような視線を送られるような、そんな本である。
色々な理論や戦略はあれど、ようはあなたは本気で変える気があるのか。それはあなたの体験と分かちがたく結びついているのか。心の奥底からくる本気は、「感染」を引き起こす。心に火をつける。それは組織も国も一緒なんだ。だから役職に関わらず、本気の「リーダー」が、幾人も幾人も出なければいけないのだ。ねえ、あなた達は本気なの?
そんな風に言われているような気がしてくる。
実際の西水さんとは幸運にもお食事を共にしたことがあるけれど、偉大な人物とはこういう人のことだ、と感じざるを得なかった。情熱的であるのに冷静。主張があるにも関わらず、じっくりと聴く。厳しいのに、優しい。言葉では表現できない。ただその凄さを、「感じる」ことでしか分からない。すごい人というのは、もしかしたらそういうものなのかもしれない。
今度西水さんにお会いした時には、僕の心の炎を見てもらいたい。本気の体験を100万回し、彼女が本書で挙げるリーダー達に少しでも近づいていたい。
そのためにも、社会的課題の現場に我が身をまるごと身を投じ、「本気」で在り続けていきたい。そう思う。
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