前回の記事はこちら。
http://komazaki.seesaa.net/article/205586625.html
---
●前回までのあらすじ
前回の連載の内容を一行で表すと
「ド中小企業の我々が、働き方をカイゼンしたら、儲かった」
であります。
残業代が減り、採用力がつき、離職率も下がり、行政からもお褒め頂き、と結構な恩恵を得ました。では具体的に何をやったか、というのを今回から述べてまいりたいと思います。
●「こんな組織にするぞ」宣言
小手先の工夫をする前に、組織全体をどのようなものにしていくのか、というのを「見える化」しました。それが「組織ビジョンです。」(図を参照)
うちはワークライフバランスやっていくぜよ、と宣言しておりまして、それをパネルにして会議室等目立つ場所に貼りました。
これだけで、「あ、思い付きじゃないんだな」と社員は何となく圧迫感を受けます。
●働き方革命その1 会議革命
@会議の見える化
自慢じゃないですけど、会議がイマイチだったのが、うちの会社でした。
まず「無駄に長い」。
2時間超すのは当たり前。2.5時間、3時間になるともう我慢大会です。
「今何の話してるんだっけ」と思いつつ、「そういえばあの件だけども・・・」と話題が無限増殖していったりします。
更には「やると決めたことがやられない」。
「あれ、それって私の仕事でしたっけ?」と言いだす社員も後を絶たず。
この話題、いつか聞いたことある、というデジャヴが連発される状態でした。
そこで、ここでも「見える化」を敢行しました。
会議の見える化。それはすなわち、議事録のリアルタイム見える化です。
こんな風に、議事録をプロジェクタで映し出し、リアルタイムに議事録を取りながら会議をするのです。
こうすると議題は例えば
□先週のタスク
□新たな営業体制について
□経理フローの改善
□採用方針の決定
等とはっきり書かれていて、自分達が今何の話をしているか分かります。
更に、一つの話が終わったら、
■先週のタスク
■新たな営業体制について
□経理フローの改善
□採用方針の決定
こんな風に四角を塗りつぶしていくと、「一つずつ議題を消化している感」が出て、余計な脱線が抑えられます。
更にはそれぞれがやってくる作業を、「タスク」と呼び、必ず人ごとに列挙し、日付を入れさせます。
<タスクリスト例>
駒崎
□【0531】所管省庁への申請書類の提出
□【0527】ABC事業部に残業時間削減の指示
宮崎
□【0610】社労士さんに外注について連絡
□【0731】就業規則変更
この四ケタの番号は、例えば一番上なら5月31日を意味します。
どんな小さなタスクでも、それをやろうと決まった瞬間、議事録のタスクリストに
入れ込み、最後に必ず期限を決めます。
各自は会議後、これを、自分のタスクリストにコピーアンドペーストします。
そして、タスクをこなしたら、
■【0531】所管省庁への申請書類の提出
□【0527】ABC事業部に残業時間削減の指示
こんな風にして黒く潰していきます
このタスクリストは、毎日日報としてメールで共有されつつ、次の会議の時は各自の会議タスクを1人ずつ見ていきます。
そうすると、やっていないタスクは一目瞭然。
「あれ、何でこれ終わってないわけ?」
と突っ込まれるのが嫌なので、皆何とか自分のタスクを黒く塗りつぶしていこう、と必死になる仕組みです。
A会議ルールの見える化
更に、会議にあたってのルールも見える化しました。これもさっきのビジョンと同じく、パネルにして会議室に貼りだしました。これは弊社のものです。
これでルールを「忘れた」とは言わせません。
またもやパネルの圧迫感で本気感を醸成します。
Bフルメンバー・サブメンバー制
更にダメ押しでこの制度を導入しました。
ある日僕は気付きました。会議に出ている人たちで、一言も発していない人がいる、ということを。
そうです。別にその会議に参加することがマストではない人が、会議の度にいたのです。そういう人に「何で参加しているの?」と聞くと、
「いや、出ろって言われたんで」とか
「この議題だけ、ちょっと報告しないといけなかったんで」
とか言います。
そういう社員たちの会議中の人件費まで払っているのか、ということに勝手に憤りを感じました。
では会議は「全部出ないといけない人=フルメンバー」と「部分的に出れば良い人=サブメンバー」に分けてあげれば、無駄な会議に出なくても済み、すっきりするんじゃないか、と思い、早速実行したところ、一番無駄に会議に出ていたのは自分でした。
10個近くフルで出ていた会議は、7割くらい「部分的に出れば良い会議」だったのです。
そんなこんなで、これだけのローテクかつコストのほとんど掛からない(パネル代4000円のみ)、会議改革によって、それまで無駄に長くて何も決まらない会議が、軒並み1時間以内の超高密度会議になっていったのです。
次号では、更に残業時間を滅多切りにした幾つかの小技をご紹介いたします。
--
------------------------------
当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
PCサイト http://www.florence.or.jp/
携帯サイト http://www.florence.or.jp/m/index.htm
病児保育で困っている、サービスを希望するという方は、
こちらのフローレンス本体のページから、お申し込み下さい。http://www.florence.or.jp/
我が子が待機児童になってしまって困っている方は、
「おうち保育園」でお預かりができるかも知れません。
http://www.ouchi-hoikuen.jp/
フローレンスのサービスエリアは東京23区の足立区/板橋区/江戸川区/江東区/品川区/渋谷区/新宿区/杉並区/墨田区/台東区/中央区/千代田区/豊島 区/中野区/文京区/港区/目黒区/荒川区/大田区/世田谷区/葛飾区/北区/練馬区 に加えて、千葉県浦安市・市川市・神奈川県川崎市・横浜市です。
ひとり親への超安価な病児保育サービス「ひとり親パック」に共鳴し、寄付を
して下さる!という方は、下記のフォームでお申し込みください。
http://www.florence.or.jp/corp/fr/fundraiser/
被災地の中高生向け学習支援「希望のゼミ」に共感し、寄付をして下さる!という方は、下記のフォームでお申し込みください。
http://kibounozemi.jp/support.html
外で遊べない福島の子どもたちに屋内公園を提供する「ふくしまインドアパーク」に協力したい!という方は、下記のフォームからお申し込み下さい。
http://www.facebook.com/fukushima.indoorpark?sk=app_172678112819575
ワークライフバランスや男女共同参画、ソーシャルビジネスについての
講演を依頼されたい企業、自治体、メディアの方々は
↓からお申し込み下さい。
http://www.florence.or.jp/inquiry/form1/ask_kouen.htm
フローレンスへのインターンを希望される学生は、
NPO法人ETIC.の細田さん宛にご連絡頂ければと思います。
http://www.etic.or.jp/
いつもご支援頂き、誠にありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
-----------------------------------------------------------