フローレンスパックの利用希望者のための
説明会を土曜日に行った。
フローレンスの病児保育の仕組みは通常の
ベビーシッターなどと異なる。ベビーシッター
などが「従量制」だとするとフローレンスの場合は
「定額制」であり、共済のような仕組みになっている。
月1回までは無料で助けに行くし、保育料自体の利ざやを
取るような形にはしていない。また、パックに入って
もらった方々は、病児保育だけでなく、育児と仕事の両立に
必要な一時保育や電話相談の利用も可能だ。
将来的には「両立保険」のような存在にしていきたいと
思っている。
さて、そんなちょっと変わった仕組みのため、ウェブだけ
で登録できるような形にはなっていない。必ずこの説明会に
お越し頂くことにしている。
システムが複雑なの理由の他に、この場所で理念を
語りたいと思っているためだ。単なるサービスの説明
ではない。僕たちがどんな想いで病児保育を行っていて、
どんな社会を目指していて、利用する方は単に利用する
だけでなく、そういった社会を実現するための理念共同体に
参加して頂きたいのだ。
そんな説明会を2ヶ月に1回ほど行っており、この土曜日が
そうだったのだが、そこで僕は改めて自らの行っている
ことの意味を反芻せざるを得なかった。
説明会の最初に、参加者の方々に自己紹介して頂く。
地域はどこで、病児保育にはどのように困られているのか、
をお話して頂くのだ。
一人目の方の自己紹介が終わった後に、次の方が
話し始め、じきに声が詰まった。
見ると、泣いていらっしゃるのだ。
こどもが熱を出し、会社にもプレッシャーをかけられ、
助けてくれる親も近くにはおらず、ほとんど一人で
対処せざるを得なかった、それが何度も続いたと、
涙ながらに話されたのだ。
その後にも同じように話されている途中に思い余って
泣き出される方が一人いらっしゃった。
これが、わが国の現状である。
子育てと仕事の両立が、まだまだ遠く難しい
日本社会の、「今」である。
この方々の涙を決して無駄にしないために、
同様に涙を流している方々に一刻も早くサポートの
手を広げなければならない。
僕たちにもっともっと力があれば、と唇を噛む。
2ヶ月に1度なんて悠長なことを言ってないで、
もっと頻繁に説明会を行って、困っている方々を、
入会を待っている方々に来て頂かなくてはならない。
そのためには優秀な人材が必要で、優れた教育プログラムが
必要で、理念を共有する時間が必要になってくる。
しかし、それらはひっくるめて、もっとスピードアップ
できるはずだ。今やっている業務の全ての工程を見直して、
生産性をあげて、もっともっとスピードアップしなければ
ならない。
急げ。涙を流すほど困っている人は、今まさに困っている
のだ。僕たちは更に駆け抜けていかなくてはならない。
僕たちは更に速く駆け抜ける方法を、必死で学ばなくては
ならないのだ。
自分もベンチャーに勤めていて、夜遅く、今はお手伝いできていないけれど、フローレンスの成長を祈ってるよー!
頑張れ!