2010年06月29日

「働き方革命」で職場が変わる


人事のバイブル、労政時報に以前掲載して頂いた文章です。
掲載からちょっと経ったので、掲載します。


人事のバイブル、労政時報に以前掲載して頂いた文章です。
掲載からちょっと経ったので、掲載します。

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「働き方革命」で職場が変わる、日本が変わる


・役所で知る絶望

私はあるNPOの経営者をしています。ワークライフバランスの研修やコンサルティングをしていることから、福田内閣の官邸から社会保障国民会議の委員として会議に呼んで頂きました。そしてそこで知りました。日本が絶望的な状況になることを。

少子化によって労働人口が減りながらも、2050年には40%は高齢者、という超高齢社会に突入。当然社会保障費はうなぎ昇りになるけれど、借金大国の中、税金払ってくれる人はどんどん減っていく、と。

さて、そうした日本の抱える問題を解決するにはどうしたら良いのか。答えは意外にも出ていました。とっても簡単です。

「働き方を変える」こと。これだけです。
日本は先進国一の長時間労働国。これが男性の家事参加率に影響を及ぼし、子育ての負担感に直結します。子育ての心理的負担の大きい日本は、かくして少子化に向かいます。
労働人口減少率も、要は女性が働いていないのが原因。スウェーデンでは出産した女性が9割働き続ける。日本では、7割の女性が仕事を辞める。この雲泥の差。なぜ?子育てと仕事の両立が難しいから。なぜ難しいかというと、母親一人で子育てを負担しなくてはならず、負担感が世界一大きいから。それはなぜかというと、先進国一の長時間労働大国だから。
このループしている問題構造の出発点は、長時間労働が当たり前の「働き方」にあったのです。びっくりです。国の将来を左右するのが、私達の「働き方」という身近な所にあったなんて。

そこで打ち出された政策が「カエル・ジャパン」キャンペーン。働き方を変える、早く帰る、ということで、カエルのキャラクターを入れたバッジ等が大量に配られました。皆さんの会社の人事部にも届いているかもしれません。

ゆるいカエルのキャラクターを眺めていて、絶望的な気分になりました。国だけに任せてたら、私達の子や孫はどうなってしまうのだろうか、と。


・「ワークライフバランス」の失敗

私はここ数年、「ワークライフバランス」に関する研修・コンサルティングの活動をしてきました。先ほど述べたような働き方の問題を解決する一つの方法として、ワークライフバランスは有益だと思ったためです。

しかし多くのビジネスマンにワークライフバランスの話をする度に、徒労感に襲われました。
「ワークライフバランス?ああ、育休とかそういうのね。」
「ワークライフバランス中心の最近の若手社員は、なんて草食系なんだ。死に物狂いで働いて初めて、成長していくもんなんだ。」
「プライベート中心の個人主義者がワークライフバランスなんて言っている。日本社会になじまない。」等など。

そうです、誤解が蔓延してしまっているのです。

そもそもワークライフバランス、というのは欧米で生まれた概念ですが、決してビジネスの論理に反した「家庭中心主義」ではありませんでした。それどころか、むしろ産業構造の変化から生まれた概念です。すわなち、ものづくり中心の工業経済下で必要だった「黙々と長時間働き続けてくれる工員」から、知識経済下で必要な「付加価値を発想してくれるできるやつ」に、労働者のニーズが移っていきました。付加価値を生み出すためには、勉強したり、社外の人とコミュニケーションを取らなくてはいけなくなりました。

同時期に雇用慣行も変わり、正社員中心の丸抱え主義から、流動性が増し「会社は自分を守ってくれな」くなりました。自己防衛のため職場だけに居続けるのではなく、自らの市場価値を高めるための自己研鑽・社外のネットワークづくりを労働者がしていくようになりました。

つまりワークライフバランスは、そうした経済のルールの変化によって、労働者の文化が「合理的に」変わっていった結果、もたらされたものだったのです。

しかし日本では、少子高齢化に悩む政府が少子化対策のために「輸入」してきてしまったがゆえに、「女性のもの」「子育て支援」という文脈で語られることが多く、よって多くのビジネスマンにとっては、よくて「関係ないもの」、悪くて「あまっちょろい考え」という受け取られ方をしてしまったわけです。


・「働き方革命」で日本を変えよう

そうこうしているうちに、少子高齢化日本の状況は日増しに悪くなります。景気の悪化に伴って育休切りなども多発し、「ワークライフバランスなんていう寝言を言っている余裕はない」と、一気に世論は後退。もはやワークライフバランスが死語化しそうな勢いです。

しかし、働き方を変える必要性は、後退どころかむしろ高まっています。不況で人が増やせないのだったら、残業させれば良いかも知れませんが、メンタルヘルスリスクや訴訟リスクを逆に増やすことになります。これまで通りの人数で、増えていく業務量に対応するには、働き方を見直すしかありません。「仕事メタボ」を「事業仕分け」をし、徹底的に「仕事ダイエット」するのです。

日本の癌、長時間労働を禁煙ならぬ禁残(禁残業)にて断つ。浮いた時間を家庭や地域社会のために「投資」し、充実した人生というリターンを得ましょう。

貴方の仕事を変え、職場の仕事を変えることが、日本の働き方を変えることに繋がっていくのです。それを革命と呼ばず、何と言いましょうか。
皆さんお一人お一人が明日の日本の「革命戦士」になって、働き方を変えていくのです。それこそが子や孫たちに良き日本を残せる、「働き方革命」なのです。

そして、今あなたが座る職場のその場所から、「働き方革命」は始まります。共に明日の日本のために、革命の狼煙をあげようではないですか。

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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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posted by 駒崎弘樹 at 10:16 | Comment(3) | TrackBack(0) | 宣伝・イベント告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
駒崎さんの言う働き方革命は働く=仕事に終われて自分の時間が泣いを働く、仕事もプライベートも両立する楽しいものに変えていく。
 工業化社会だと長時間労働でよかった。知識経済だと社外に人脈を持ち研鑽に励む。そういう時代似合った働き方が必要だと思った。働き方革命をすれば、ニート・ひきこもりの人も社会に出て積極的に仕事をしようと思うのではないか。
 少子高齢化の問題、女性の働き方の問題が働き方革命をすれば日本が変わる。日本株式会社の変革を迫るものになる。
 病児保育を病気で休んで働く母親が子どもの病気に付き添う事が当たり前になる社会を目指さなくてはいけないと私は思った。
Posted by ぶじこれきにん at 2010年07月01日 05:33
これからの豊かな生活を享受できる社会になるためのワークライフバランスなのに、それを矮小化し、目先のことばかり考えたキャンペーンを進めている。本当には分かっていないんじゃないの?・・そんなところでしょうか。
社会のありようそのものを考え直す大事な時期なのにそのことにちゃんと向き合っていないという感じを受けますね。
Posted by 岩越 泉 at 2010年07月01日 10:13
昨日研究会に出た。学者・学校の先生・当事者・保護者いろんな立場の人が出席した。
若者がこういう勉強会に出て自分を磨く努力をしている。受付をしている。
 情報化社会・知識社会になってみんな勉強している。そういう時代なんだ。
 おまけにtwitterでの実況中継。それにあう仕事システムを構築するべきだと感じた。
Posted by ぶじこれきにん at 2010年07月05日 16:52
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