2010年06月20日

両親教室潜入記


妻が妊娠中ということで、居住している川口市保健センターが主催している両親学級に行ってきた。

両親学級に参加し、来るべき出産、そして子育てに備えるのだ。
だがしかし、まず申込みが「ハガキ」オンリーというところが突っ込みどころ。何百人も受けるのだとしたら、明らかにメールフォーム等の方が生産性が高い。エコロジー的な観点からも、ハガキはお勧めしないはず。

しかしそれはまぁ、何と言うか、仕方ない。自治体だし。

気を取り直して、保健センター目指し、バスに乗車。するとバスは妊娠中の妻+夫というカップルでほぼ満員になっている。意外に高い集客力。おそるべし、両親学級!

そしてバス内では奥さん同士が「あー、久しぶりぃ、元気?」等と見知った風なコミュニケーションを行っている。不審に思って妻に聞くと「母親学校で知り合ったんだと思うよ」とのこと。君も行けば良いのに、と僕が言うと「母親学校は平日なんだよ」という答え。
つまり働いている妻は参加したくても参加できないのだ。ちょっと待て、今は専業主婦世帯よりも共働き世帯の方が多い。

にも関わらずかつての「奥さんは平日暇でしょ」的な価値観に立ってプログラムが組まれているなんて、川口市よ、昭和過ぎるYO!

いきり立つ僕を横目に「でも、共働きの妻が参加できるとなると土日になるから、職員が土日出勤になって大変だよ」と自分が公務員であることから、公務員寄りの意見の妻。

いや、ちょっと待てよ、と。もし川口市行政職員が土日出勤大変なら、子育て支援NPOに委託すれば良いだけの話じゃないか。ビデオ見せて沐浴の仕方教えるのに、保健師資格持った職員じゃないとどうしてもダメなのか。

とまだ始まっていないにも関わらずヒートアップしていたら、保健センターに到着。講堂に集まり、そこでNHKエデュケーション作成のビデオ教材を見る。
ストーリーは、あるカップルの子どもが産まれるまで、そして産まれてからの生活の物語。妊娠中の妻の心身の変化、出産、こどもの成長と、妻と夫の役割の特徴。
コンパクトにまとまっていて、良い内容であった。妻は途中涙していた。
さすがNHK、龍馬伝と言い白熱教室と言い、良い仕事している。

心洗われた後、今度はグループに分かれて沐浴実習。保健師の方が見本を見せた後、各カップルの夫の方がお人形さんを沐浴させる。

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おっかなびっくりのプレパパ達。パタニティ(パパのマタニティ)生活は長いとはいえ、赤ちゃん(みたいな人形)に関わることは初めての経験だ。

そんな中僕は1人で余裕だった。保育会社経営の自分は、実習等で乳幼児には随分と触れている。そこらのプレパパとは年季が違う。
一人優越感と共に、他のプレパパに対し「違う、指で頭を固定しないと!首座ってないんだから」「石鹸飛ばすな!」等と心の中で偉そうに指導までしていたのだった。

そして自分の番。妻に、「良いか、俺の手技を見て学べよ」と言わんばかりに沐浴をスタート。

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顔を拭き、頭を洗い、手や足をくるくると回しながら洗う。
そして手順通り、お腹を持って赤ちゃん人形を裏返し、背中を洗う。

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我ながら見事な手さばき。ほれぼれする、、、と思ったら、赤ちゃんの顔面が湯にインしていた。実戦だったら危うく愛娘をおぼれさせてしまうところであった。
妻が見ていなかったことを確認し、体を流し、タオルにくるんで押し拭きした。

結論として、当初なめていたが、実際に手を動かしてみると成功イメージが描けるようになり、非常に勉強になった。

更に次のコンテンツとして「妊婦体験」にチャレンジした。
これは妻の気持ちを理解するためのツールで、
妻が通常妊娠中に太る重さ+赤ちゃんの重さ=計12キロくらいの
代物で、お腹とおっぱいを装着できる。

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実際これを装着すると、まず重さに驚く。そういえばドラゴンボールでこういう修業あったな、と思いだしてしまうくらい、動きづらい。
靴紐も結びづらいし、かがんだりしゃがんだり、ということが非常に大変だ。

更に仰向けは苦しいので、寝るときは横向きじゃないと厳しい。

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妻がなぜ歩くのが遅いか。疲れやすいか。そして如何に日常生活にストレスが多いか、ということを頭ではなく体で感じることができた。
これは以前、視覚障害者の方の立場を理解しよう、ということで目隠しをして立川駅周辺を散歩する、というプログラムを受けたことがあるのだが、その時に「闇の中を生きる」ということの大変な心細さを体感した時と同様の「体による理解」を得ることができた。やはり「知っている」と「体で分かっている」というのは違う。

さて、総じて非常に楽しく、またためになるプログラムだった。イクメンレベルを上げることができた。もっと多くのプレパパが妊婦スーツを装着すれば、日本のマタニティライフは確実に向上するに違いない、と断言しよう。

しかしより多くの共働きカップルが受けられるためには、改革が必要だ。それは

1.ハガキ→ネット申込み
2.母親教室が専業主婦向けで平日→共働きも参加できるよう土日
3.保健センター職員による低頻度開催→NPOへの委託で高頻度開催

である。

また、行政改革を要望するなら、同時に「自分改革」もしなくてはフェアではあるまい。今後は妊婦スーツ装着で妻の負担を学んだのだから、より細やかなケアを妻にすることを宣言したい。

そんなわけで両親教室潜入記でした!(キリッ


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posted by 駒崎弘樹 at 21:49 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
表情が(笑)

同じところに疑問を感じるんだなあ。
ハガキで応募ってめちゃくちゃ多い。

公務員の人たちは疑問に感じないんだろうか
エコとかリサイクル言うなら、自分たちからやらないと。

『働き方革命』は進んでいるようですね(^J^)
Posted by laugh0419 at 2010年06月20日 22:41
NPOなどの民間に委託し、土日に実施する自治体は、杉並区など都内には結構多いみたいです。川口市もこれから変わるのでは^^期待ですね。
Posted by sachi at 2010年06月20日 22:58
両親学級、いろいろ発見があったみたいですね?少しずつパパ力を磨いてるようでなによりです!
ただちょっとツッコミたいことがあって初めてコメントしちゃいます。
学級の申し込みをネット上でしたらいいとありましたが、妊娠してパソコンや携帯などに向かうと気持ち悪くなる妊婦さんが多いのご存知ですか?私もその一人で、学級を開催する日時を確認するため、パソコン開くだけでもやっとでした。なので、自分の好きな時間にゆっくりハガキを書く方が電磁波も浴びないし、私はよかったと思いました。
あとハガキや学級を受けたら押してもらえる母子手帳へのハンコ。あれはアナログだからこそ手元に残り、記念となってくものだと思うので、やたらとネット化しなくても私はいいかなと思います。
あと母親学級は自治体だけでなく、産む予定の病院などでもやっていますよ。探せば土日でも参加できると思います。
共働きの人に合わせて土日にも開催してほしいというよりかは、夏なら涼しい午前中か夕方、冬なら暖かいうちの昼間といったように、妊婦の体調を一番に考えた時間に開催してもらった方がいいんではないか?と思います。
これから子どもが生まれたら健診や予防接種日などは平日が当たり前になります。
共働きを中心にみるよりも、生まれてくる子にとって一番いい策はなにか?家族がいる上でどう仕事の時間を組み立てていくか?も大切なんだと思います。
だって公務員さんにも家族はいますし、土日は家族とゆっくり過ごしたいから公務員って人も少なくはないですよね?
なんだか、今回の駒さんの記事にはなんか違和感を感じて見て見ぬふりできなくて、図々しくもコメントしてしまいました。すみません。
フロレ、ずっと応援してます!では。
Posted by 元Rの水さん at 2010年06月21日 23:51
パタニティのプロフェッショナルなこまざきさんも、両親学級で学び得ることが大きかった感想、とっても参考になりました。

ぼくは、妻が妊娠中のときに両親学級に参加してみて、出産シーンでは男は脇役or観客にすぎないと感じ入りました。

そのことも発端となって、パパが主役の子育て講座、ファザーリング・スクールを始めた経緯がありました。

貴重なレポート、ありがとうございます!
Posted by あづまこうじ at 2010年06月23日 09:15
貴重な体験をされましたね。
子どもが生まれたのは今から4年前ですが、私が住んでいる岐阜では、当時そのようなパパ向けのイベントはありませんでした。地域差と時代の流れを感じます。

最後のご提案のように、開催の方法を変えれば、より多くのパパが受講でき、育児観に対してより大きな影響を与えることができるでしょうね!
Posted by ダイスケ at 2010年06月26日 23:09
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