2009年07月28日

民主党のマニフェストはこうすればもっと良くなる


民主党のマニフェストの「14.保育所の待機児童を
解消する」にはこうある。


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14.保育所の待機児童を解消する
【政策目的】
○縦割り行政になっている子どもに関す
 る施策を一本化し、質の高い保育の環
 境を整備する。
【具体策】
○小・中学校の余裕教室・廃校を利用し
 た認可保育所分園を増設する。
○「保育ママ」の増員、認可保育所の増
 設を進める。
○「子ども家庭省(仮称)」の設置を検
 討する。

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メインは小中学校の空き教室を保育所にする、というもの。

これはこれで悪くないのだけども、問題の本質はそこ(場所がないこと)にはない。
待機児童問題を解消したいならば、先日も書いた「事業者の
イコールフッティング問題」
を解消しなくてはいけないのだ。
また更に財源が無限にあるわけではないのだから、ニーズのある
ところに保育所が開設され、ないところにはあまり開設されない、
という当たり前のメカニズムを働かせないといけない。

そのため、準市場メカニズムを導入するのが、処方箋だ。
現在のように自治体が保育所の開設場所を決め、自治体が親の
入所希望を振り分けるような社会主義的な仕組みではなく、
親と園が直接契約して選択するやり方にしなくてはならない。

しかしむき出しの市場原理は保育を始めとした福祉にはそぐわない。
がゆえの「準市場」である。
認可保育園にたっぷりと注ぎ込まれている補助金をなくし、それを
「保育園・子育て支援バウチャー」の形で全ての親に提供。
親はバウチャーと自己資金を組み合わせて園に支払う。
そうすることで所得が少ない世帯も園に入れるため、「持たざる者は
サービスを購入できない」という完全市場を軟化できるのだ。

認可保育園の待機児童問題に関しては、この道から逃げることは
解決から逃げることに等しい。

また更に「保育ママ」に関して。「保育ママ」は単純に増員させてもいかんのです。現在のように自治体が保育ママを直接マネジメントする形だと、結局マネジメントできずに、疲弊するし増えていかない、と言う状態になってしまう。
そうではなく、これも先ほどの「保育園・子育て支援バウチャー」が保育ママにも使えるようにし、更には企業やNPOが参入できるようにするべきなのだ。

保育ママ的な人をたくさん抱えるベビーシッター業者や、NPOが
責任を持って保育ママを提供する。現在だと保育ママは「自分が
ピンでやっているから、休みも取れない」という状態だ。
けれど企業であれば、「●●さんが休みの際は、代わりに▲▲さんを
派遣しますね」というようなシフト体制が組める。
このように、保育ママのスキームごと変えなくては、真に機能するもの
にはならないのだ。

というわけで、民主党さんにはぜひマニフェストをブラッシュアップして
頂いて、待機児童問題に本気で取り掛かってほしい。
ちなみに僕を政治的任用(ポリティカル・アポインティー)して厚労省に突っ込んで頂けたら、いくらでも待機児童対応戦略を策定しますので、いつでもお声掛け頂きたい。

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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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posted by 駒崎弘樹 at 22:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
園の父母会をまとめる組織からよくチラシをもらいます。
民営化や直接契約、競争原理導入=サービス低下(理屈はよくわからないが)を阻止しよう!などと気勢を上げていて、それを読んでいると、ホントに解決したいと思っていないんじゃないかとすら感じてしまいます。
「子供の笑顔のために」とかいうキャッチコピーがむなしい。

まあ、先のエントリーにもあったように一旦入ってしまえば、役所丸抱えの方が親にとっては楽なので、改革へのインセンティブは働きづらいですからね。
Posted by いむら at 2009年07月29日 04:16
>いむらさん

そうなんですね。役所丸抱えの方が楽です。しかし現世代の楽が、次世代への借金になる、ということなんです。
未来に対する責任を「倫理」と呼びますが、あまりにも儚いこの言葉しか寄る辺がないとしたら、私達は衰退するしかないのかな、と思わざるを得ません。
Posted by 駒崎弘樹 at 2009年07月30日 23:05
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