2009年07月14日

ワークライフバランスは草食系か


オラオラIT会社勤務の友人と話す。

友人いわく「俺は20代、30代のうちは将来のために自分を磨きたい。だから死ぬほど働きたい。5年後どうなっているか、なんて予測がつかない。だから成長しまくることが、最大のリスクヘッジだ。」と。

その考えには同意。

だが、その後の発言に違和感を持った。

「だから俺は夜遅くまで働く。7時で帰るなんてありえん。毎日11時まではやるよ。目標未達成の今なら尚更だ。」

「それって、お前だけじゃなくて皆そんな感じなの?」と僕。

「いや、20人のチームで5人くらいかな、そういうヤル気あるやつは。後は草食ワークライフバランス系だよ。目標達成してないのに、とっとと帰る。何考えてんだ、ちゅう感じだね。」

うーん、と考え込んでしまった。彼の頭の中には、「成長志向の責任感あるデキる仕事人間VS草食ゆるゆるワークライフバランス野郎」という構図が出来上がってしまっている。

ただ、この構図って、実は結構多くの人が持っているのではなかろうか、と思う。ワークライフバランスの話を(特に男性に)している時に感じる空気は、正にそんな感じのものだ。

この二者択一は痛い。もしこの二択で括られないといけないのだったら、僕も前者でいきたい。

「ねえでもさ、例えば成長志向でデキる仕事人間で、なおかつ早く帰って地域社会に貢献したり別の世界で活躍しているやつっていう選択肢はないの?」と僕。

すると意外にも「いや、それはあると思う。俺も例えば自分のスキルを、アフター7にNPOに提供したりするって言うんだったら、やっても良いかも知れない。自分の成長にも繋がりそうだし。ただ、理由なく早く帰ったり、っていうのは嫌なんだよ。」

なるほど。上記の二者択一を回避するためには、「第三の道」ビジネスマンのロールモデルをどれだけリアリティを持って彼らに提示できるか、なんだな。
例えばフローレンスの理事を無償でやってくれているTさんは、普段は投資ファンドでバリバリに働く超優秀ビジネスマンだ。だけども、フローレンスの理事という別の顔もあり、ソーシャル業界の仲間たちとの交流もある。

「第三の道」ビジネスマン像が、若い層を中心に課長島耕作的ロールモデルに取って変わっていくことを如何に後押しするのか、が対若手ビジネスマンの思想戦のテーマになってきそうだ。

______________________

当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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これからもどうぞ宜しくお願い致します。
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posted by 駒崎弘樹 at 21:07 | Comment(4) | TrackBack(1) | 業務日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!

仙台の大学で経営を専攻している者です。

以前、週刊ダイアモンドで「社会起業家」が特集されているのを見て、フローレンスを知り、駒崎さんを知りました。

ブログも時々、見させて頂いてます。

今回はご相談したくコメントさせて頂きます。

仙台では待機児童が非常に多く、行政でも問題解決には時間がかかるとされており、今度の市長選でも待機児童に関する対応が争点とされています。

僕は生意気かも知れないのですが、待機児童解消に役に立ちたいと考えています。

週刊ダイアモンドの中で駒崎さんは「日本社会の役に立ちたい」と書かれていましたが、僕は「地域社会の役に立ちたい」と考えています。

今の僕は志だけで何もないのが現状です。

そこで、フローレンスを設立する時、力になってくれる機関はどこにあったでしょうか?

教えて頂けると嬉しいです。
Posted by コータロー at 2009年07月15日 15:24
はじめまして!

仙台の大学で経営を専攻している者です。

以前、週刊ダイアモンドで「社会起業家」が特集されているのを見て、フローレンスを知り、駒崎さんを知りました。

ブログも時々、見させて頂いてます。

今回はご相談したくコメントさせて頂きます。

仙台では待機児童が非常に多く、行政でも問題解決には時間がかかるとされており、今度の市長選でも待機児童に関する対応が争点とされています。

僕は生意気かも知れないのですが、待機児童解消に役に立ちたいと考えています。

週刊ダイアモンドの中で駒崎さんは「日本社会の役に立ちたい」と書かれていましたが、僕は「地域社会の役に立ちたい」と考えています。

今の僕は志だけで何もないのが現状です。

そこで、フローレンスを設立する時、力になってくれる機関はどこにあったでしょうか?

教えて頂けると嬉しいです。
Posted by コータロー at 2009年07月15日 15:27
>コータローさん

フローレンスの起業の軌跡に関しては、拙著「社会を変えるを仕事にする」に書かれていますので、ご参考にして下さいませ。また、待機児童問題に関しても、過去のエントリーで書かせて頂いていますので、サイドバーにある検索ボックスで、「記事」にチェックをつけ検索してもらえると出てくるかと思います。

※社会を変えるを仕事にする
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E3%80%8D%E3%82%92%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B-%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%A7%92%E5%B4%8E%E5%BC%98%E6%A8%B9/dp/486276018X?&camp=759&linkCode=wey&tag=komaxmove-22&creative=3823
Posted by 駒崎弘樹 at 2009年07月15日 18:49
参考にさせていただきます!

同じ文章を2回も書いて、すみませんでした。

Posted by コータロー at 2009年07月15日 21:54
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