「ゆとり教育」の元スポークスマン、寺脇さんとご飯。
何かと誤解が多い「ゆとり教育」だけども、僕は理念と方向性は全く間違っていないと思う。知識量ではなく「考える力」をつけさせるのが、工業経済社会から知識経済社会に必要とされる人の要件だからだ。
とはいえ、ゆとり教育路線は政治的に敗北し、知識量と受験学力重視へと戻りつつある。
僕は教育は専門外なので、ここではいかにして政策とそれに付随するムーブメントが「正しさ」ではなく「力」によって作り出されるのか、ということに話をとどめる。
寺脇さんはゆとり教育についても政治的な動きについても、僕に対しては一切過去のことは語らなかった。だからここは僕がその他の官僚や政治家やもろもろの方々から聞いたことをパッチワークしたことを個人的に記しているものとして独り言を言うだけなのだけども、基本的に「ゆとり教育」は金にならないということが鍵になった(と個人的には思う)。受験があれば、それに金を出す必然性が顧客側に生じ、受験産業が生み出され、それで食っていく人たちが湧きあがり、となる。
けれど受験が緩和され、考える力が重視され、(学歴エリートが幸せ、ではなく)「どんな生き方でもそれなりに幸せ」になったとすると、しゃかりきになって教育に金を使う必要はなく、産業も生み出されない。
「そうなっちゃ困る人々」が受験業界をはじめとしていらっしゃって、彼らが「円周率を3と教えています」キャンペーンを作りだし、マスコミを焚きつけ、経産省を巻き込み、政治的なムーブメントが形成され、揺り戻しに大成功した、という構図。
ソーシャルプロモーションのすごさと怖さを学べる貴重な事例だろう。
それを日本のために使うか、ビジネスのために使うか、によって「世の中の変え方」が変わる。
そういう僕も、ある局面(「病児保育にもっと予算をかけましょう」「ソーシャルビジネスを公共サービスの担い手にさせましょう」etc,etc...)では「仕掛け側」にいるわけで、僕と教育産業の方々は分ける境目は、もう本当に淡い、微妙なラインしかない。公共心、という儚い言葉の境しか。
しかし仕掛けないでいても徐々にダメになっていく日本なわけで。
だから自分は何らかに手を染めていると覚悟を決めて、自分が決して何にも染められていないなどと戯言を絶対に口にしないで、「確信犯的に」仕掛けていくしかない。それが公共的なのか、という問いを100万回、己に問い続けながら。
______________________
当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
PCサイト http://www.florence.or.jp/
携帯サイト http://www.florence.or.jp/m/index.htm
病児保育で困っている、サービスを希望するという方は、
こちらのフローレンス本体のページから、お申し込み下さい。http://www.florence.or.jp/
フローレンスのサービスエリアは東京23区の足立区/板橋区/江戸川区/江東区/品川区/渋谷区/新宿区/杉並区/墨田区/台東区/中央区/千代田区/豊島区/中野区/文京区/港区/目黒区/荒川区/大田区/世田谷区/葛飾区/北区/練馬区 です。
ひとり親への超安価な病児保育サービス「ひとり親パック」に共鳴し、寄付を
して下さる!という方は、下記のフォームでお申し込みください。
http://www.florence.or.jp/corp/fr/fundraiser/
株主総会に託児をつけたい、説明会に託児をつけたいという
イベント託児・イベント保育をご希望の企業様は
↓からお申し込み下さい。担当者の方からお見積もりを送らせて頂きます。
http://www.florence.or.jp/inquiry/form1/ask_others.html
ワークライフバランスや男女共同参画、ソーシャルビジネスについての
講演を依頼されたい企業、自治体、メディアの方々は
↓からお申し込み下さい。
http://www.florence.or.jp/inquiry/form1/ask_kouen.htm
フローレンスへのインターンを希望される学生は、
NPO法人ETIC.の細田さん宛にご連絡頂ければと思います。
http://www.etic.or.jp/
いつもご支援頂き、誠にありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
_______________________