2009年04月05日

渋谷の中心で待機児童問題を叫ぶ


敬愛するファザーリング・ジャパンさんが渋谷でデモをするという呼びかけをされていたので、きぐるみ着て友軍として緊急参戦。



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デモというと、鉢巻巻いたおじさんが「賃上げしろー」みたいなイメージで、ちょっと怖いというか「自分たちの給料上げろって・・・」みたいなイマイチ傍から見てると乗り切れないアクションで、自分的にはちょっと微妙だった。

しかしそこは社会問題を明るく叫ぶロックンローラー、安藤パパの手にかかれば、見事に楽しい「祭」になっていたのだった。

まず通常のいわゆるデモがどんよりして敵対的なのに対し、ベリーダンサーやベビーカーを中心に、アコーディオンを弾き語るお兄さんまでいて、デモ色ゼロ。パパだけでなく、綺麗なママも、子どもたちも参加していて、待機場所である宮下公園は一瞬バザーか何かやってんの、というような雰囲気。
楽しそうなのである。

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そして実際楽しかった。「待機児童を減らせー」「保育園を増やせ―」とシュプレヒコールをあげながら、ハチ公前交差点を横切るのは、えもいわれぬ充実感と達成感に貫かれるのだった。歩行者も暖かく手を振ってくれたり、観光客は懸命に写真を撮ったり。

そして稀代の仕掛け屋の安藤パパは、運動を増幅させるためにメディアを呼び込むことも忘れない。数社のカメラが入りこみ、絵になるベビーカーデモを撮影していた。きっとニュースに流され、待機児童問題を、保育所不足問題を全国のお茶の間に届けるだろう。

ちなみに待機児童問題に関する私見を繰り返したい。まず保育所づくりは、労働人口増加で税収が上がるので、国にとって費用ではなく投資である。更に家族政策にかける予算規模の圧倒的な少なさを是正するべきだ。国レベルでは、天下り先特殊法人につぎ込まれている意味のない税金と、地方レベルでは天下り社会福祉協議会や外郭団体につぎ込まれている税金を果断にカットし、家族政策(保育所、医療費、児童手当等)にシフトすべき。

それと同時に、今度は保育所の「つくりにくい仕組み」と「補助金の在り方」を改革する。「つくりにくい仕組み」は、そもそも社会福祉法人という法人格しか保育所が作りづらくなってしまっていること。何でNPOや株式会社じゃいけないのか。金儲けに走るから?金儲けに走って質が低い保育しかできないところは、淘汰される仕組みを作れば良い。ではどうすれば良いか。業者に直接補助する仕組みから(業者主権から)、利用者に保育所用のクーポン券を与える「利用者補助」(=利用者主権)へと転換させるのだ。

今ならダメな保育所も業者主権なので補助金で食べていける。けれど利用者主権にすれば、金儲けに走り子どもをないがしろにする保育所は、利用者にそっぽを向かれて淘汰されていくのだ。
「民営化=質が下がる」というのは図式は普遍的ではない。市場の設計の仕方なのだ。現状の業者主権の状態で、業者への補助を減らしたら質は下がるだろう。しかし財源を増やし利用者に直接クーポンを渡し、そのクーポンによって利用者が保育所を選択すれば、保育の質は下がるだろうか。
介護保険導入前の介護事業者を見ても明らかだ。粗悪なところも中にはあるが、事業者数は圧倒的に増えた。

今のままの業者主権=業者補助を続けていたら、保育所を増やすのは大きな負担になり、またそもそも保育所参入業者が限られるので、増えるスピードも緩慢だろう。しかし参入障壁をはずし、利用者主権=利用者補助に転換することで、ニーズの強い(=待機児童が多い)エリアほど参入事業者が増えていくのである。

待機児童問題は政治災害だ。政府の改革の遅滞とスピードの遅さで酷くなっている。逆を言うと、とっとと改革すれば、解決できる。解決すれば、働く親が増えて日本の競争力と生産性が上がる。どん底日本経済にもプラスであることは間違いない。

市民よ、声をだそう。デモはフランスではマニフェスタシオンというそうだ。政治家は市民にマニフェストを出し、市民はマニフェスタシオンによって異議を唱える。

デモの敷居が高きゃ、自分が投票した区議会議員や国会議員にメールをしよう。あなたに入れたんだから、期待に応えてくれ、と。
官僚主導のお任せ民主主義を脱却し、強靭な草の根民主主義を子どもたちに残そう。

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追記
さすがFJ、ニュースにも取り上げられたそうです。
・NHK「父親たち 待機児童解消を訴える」

・日本テレビ「待機児童問題 解決訴えベビーカーで行進」

・毎日新聞「待機児童デモ:保育所拡充求め親子80名 東京・渋谷」


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posted by 駒崎弘樹 at 21:21 | Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ニュースサイトで見ました。
参加されていたのですね。

そうですか。
そういう和やかな場だったのですね。

ただいま 数日前にご紹介のあった
「アンデルセン、福祉を語る」を呼んでいるところです。

“いま必要なのは「女性の男性化」ではなく「男性の女性化」”
 (家庭内での家事・育児分担や夫婦の対等な権力関係のことですね)
とか
駒崎さんも書かれている 保育所を整備することによる社会への経済効果・人材育成への影響・生活保護費の低減への効果などなど
興味深く読んでいます。


民間保育サービスを利用しながらワーキングママをしてきて
その保育料と、この保育料の投資をしても小学校就学後にこのワークスタイルを維持できないと気がついたこと

そうであれば、これ以上、経営者の高額な趣味に消える保育料を貢ぎ込むことに 意味を見いだせなくなったことで
わたしは退職をえらびました。

そんな自分の過去の悩み、意欲はありながらも社会の壁にぶつかって退職をえらんだことの構図が説明されているように感じているところです。

クーポン方式、おもしろいですね。

現行の事業所内保育所では、最初の入札の関門さえくぐればあとは競争なしで顧客が維持できて補助金ももらえる“寄生虫状態”


ただし
保育所は やっぱ営利目的だとやっていけない 生活環境が整っていないお子さん方の大切な居場所であることもあり
どんな環境に生まれおちても
健やかに 自己否定感を持たずに育っていくための大切な機能を期待されている場でもあります。

健やかな育ちを守る場所。それはきっと、どんな親子にとってもいい保育の場でしょうね。




Posted by あひる at 2009年04月06日 01:04
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