2009年04月01日

【社内向け文章】末次一郎になりたい


社員の皆さん。皆さんは末次一郎をご存じだろうか。




今は死語となってしまった言葉、「国士」である。終戦後戦地で抑留されている方々の救出運動を行い、それが功を奏して多くの方が引き揚げに成功。日本の植民地であった台湾や朝鮮出身で日本軍人として戦った人々が、戦後日本人でなくなったことで何のサポートも得られなかったことに憤慨し運動を仕掛け、彼らへの補償も勝ち取った。その後青少年の非行問題に心を痛め、日本青年奉仕協会を設立。ボランティアという言葉を日本に提唱。青年達が途上国を助けにいく、という民間人主体の国際協力のアイディアを構想し、政治家や官僚と政策化に汗をかき、それが「青年海外協力隊」として結実し、今に至る。

また、当時はアメリカの占領下にあった沖縄を本土に復興させるため、沖縄の小学校に国旗を送る(密輸する)運動を開始。多くの小学校に国旗をはためかせる。沖縄返還のビジョンを創るため、日本の学者や政治家とアメリカの学者や政治家が集う場、日米京都会議を開催。そこで「核抜き、本土なみ、72年」という分かりやすいスローガンを採択。ここで創られた共通のビジョンに基づき、各界のキーパーソンがそれぞれの分野でロビイングを開始し、ついに沖縄は我が国の領土に復権した。

その後戦後の総決算として北方四島返還のため、ソ連首脳に対しロビイングを開始。あと一歩のところで病死した。

彼は今の言葉で言ったら、何だろうか。NPOという言葉がなかった頃にNPOを立ち上げ、アドボカシーという言葉が流布していなかった時に、日本の政治家や学者、アメリカの著名人達と太いパイプを作って政策を実現していった。生涯政治家になることもなく、在野を突き通し、栄達とは別のところで生き、そして死んだ。

フィクサーというときな臭い匂いがする。ロビイストというと金の匂いがする。そんな匂いの全くない、清冽でありながら泥臭く、力強くありながら温かいきずなで人々と結ばれていた人。けだし国士である。

誤解を恐れずに言えば、僕は末次一郎になりたい。
使命に生き、そして死ぬ。そのありように胸が打たれる。

ロールモデルでありながら、「世の中の動かし方」をこれほど多く教えてくれる教材もないだろう。

社会事業をプロでやる人間は常に「事業」と「運動」のバランスと両立に悩む。飯を食わねば生きてはいけず、かといって構造を変えねば人々は救えない。構造を変える仕事は全く金にならないが、金が得られる仕事だけをしていては問題の根源をおさえることができない。

社員の皆さんにお伝えしたいのは、フローレンスはコムスンやポピンズのように巨大なサービス企業になるつもりは、今のところ僕の脳内にはない、ということだ。Small but Great な組織。手広くたくさんのことをするのではなく、狭い範囲にフォーカスしながらも、素晴らしいサポートを人々に提供し、自らも素晴らしいありようの組織。働く人は喜び、成長し、幸福な組織。
そうしたあり方を目指したいと思っている。

そうした素晴らしい組織の運営の大部分を皆さんに任せながら、僕自身は、国士として在野の立場で国事に奮闘したい。坂道を転げるようにダメになっていく我が国と困っている人々のために、金にはならないようなことに次々と関わって、ビジョンを練り上げ、共有し、実現していきたいと思う。
僕がそんなんでも回る組織を創っていきたいし、そのためには皆の力が必要なのだ。

もっと何考えているか語っちゃってください、と言われちゃったので、年度初めに「何となくこんなことを思っていますよ」ということを共有してみたりした。好評だったら、しつこく語りかけるから(笑

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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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posted by 駒崎弘樹 at 19:29 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
函館在住です。
この日のブログも、勉強になったので、僭越ながらコメントさせていただきました。わたしは違う業界で働きながら福祉大学に通いますが、フローレンスさんの本を読んで興味をもった部分も大きいです!!

函館でも福祉センターが病児保育を含む子育て支援を初めましたよ♪
Posted by mura at 2009年04月07日 09:41
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